Tgif で SymbolOblique を使う


               Tgifで斜体のギリシャ文字を使えるようにする.
                               '14/07/27

まず同じディレクトリにある 
README.jp を読んでみてください.Tgif でSymbol-Oblique を使うための
概要を書きました.しかし,ソースにパッチを当ててコンパイルなどという
手間ユーザーが行わない状況では,あまり良い方法ではないのかもしれませ
ん.そこで,PostScriptの標準書体としてではなく,ギリシャ文字としてユー
ザー登録する方法を紹介します.


1. フォントのインストール(無いフォントは使えません).

GS標準配布の s050000l.pfb から,生成した 

  s050020l.pfb (Oblique体)
  s050001l.pfb (Bold体)
  s050021l.pfb (BoldOblique体)

を,元のs05000l.pfb が置いてあるのと同じディレクトリに置きます
もし判らなければ,

  locate s050000l.pfb

で在り処を探しましょう.あるいは,

  ghostscript -h 

で表示される,フォントのサーチパスを丹念に調べましょう.


2.X11への登録(Tgifの画面に表示させるため)

X11では論理名でフォントを呼び出すための登録が必要です.
Type1のフォントはスケーラブルなので,fonts.scaleというファイルが
たぶんs050000l.pfbが置かれているディレクトリにある筈です.
そのファイルの末尾に,

 s050000l.pfb -alias-symbol-medium-r-normal--0-0-0-0-p-0-adobe-fontspecific
 s050020l.pfb -alias-symbol-medium-o-normal--0-0-0-0-p-0-adobe-fontspecific
 s050001l.pfb -alias-symbol-bold-r-normal--0-0-0-0-p-0-adobe-fontspecific
 s050021l.pfb -alias-symbol-bold-o-normal--0-0-0-0-p-0-adobe-fontspecific

と追記しましょう.そして

 xset fp rehash

として,X11への登録をやり直します.すると,少々古いツールですが,
 
 xfonntsel -scale 

により,追加したフォントがX11で表示されることを確かめることができ
ます.


3.Ghostscriptへの登録(これが目的です)

上記1,2の手続きは,README.jpと同じ内容です.異なるのは,Ghostscript
で呼び出す名前をSymbolではなく,Greekとしてしまおうというものです.

 locate Fontmap.GS

で在り処を探しだしましょう.Plamo と Vine では 

 /usr/share/ghostscript/***/Resources/Init

ようなディレクトリです.そこにあるFontmap.GSに

 /Greek              (s050000l.pfb);
 /Greek-Oblique      (s050020l.pfb);
 /Greek-Bold         (s050001l.pfb);
 /Greek-BoldOblique  (s050021l.pfb);

を追記します.X11やTeXのようにキャッシュのリセットは不要です.


4.Tgif のapplication-defaultファイルへの登録

1,2,3はTgif固有の設定ではありません.README.jpではTgif固有の設定は
パッチを当ててコンパイルのやり直しという面倒なものでしたが,ここ
では,X11のアプリケーションに対して準備されている,設定ファイルへ
の追記という方法を用います.名前は Tgif です.

 locate Tgif

で探しましょう.それに,

Tgif.GreekShowFontChar: G
Tgif.AdditionalFonts: \n\
    symbol-medium-o-normal \n\
    adobe-fontspecific \n\
    Greek \n\
    \n\
    symbol-bold-r-normal \n\
    adobe-fontspecific \n\
    Greek-Bold \n\
    \n\
    symbol-medium-o-normal \n\
    adobe-fontspecific \n\
    Greek-Oblique \n\
    \n\
    symbol-bold-o-normal \n\
    adobe-fontspecific \n\
    Greek-BoldOblique 

と追記して,X11の画面表示のフォント名とPostScriptで呼び出すフォント名
を登録します.


5. リソース

この目的に合った type1 の フォント 
Symbol.tar.gzをダウンロードしてお使いください.

                                 松田 七美男 (matuda@film.s.dendai.ac.jp)